自律神経失調症って何?様々な疾患とその原因について


自律神経失調症は知名度の高さのわりに、原因や症状はあまり知られていません。
実際には様々な疾患として表れるので、正しい知識を持ったうえで対処することがポイントになります。

誤解をしている人が多いですが、この名称は一つの症状を指しているのではなく、いろいろな症状をまとめた総称となっています。

医療機関でもよく使われる言葉ですが、医学的な見地では正式な名称と認められていません。ですから言葉の定義があいまいになっており、説明する際にあまり使いたがらない医師も見受けられます。診断したときに、そうだと認定できる基準も存在していないことを覚えておきましょう。

自律神経失調症の具体的な疾患とは?


具体的な疾患は、肉体面に出るものと精神面に出るものが存在します。

肉体面に現れる疾患

前者は多岐にわたりますが、代表的なのは倦怠感や食欲不振などです。めまいや耳鳴りもこちらに該当しますし、立ちくらみや頭痛なども同様です。手がしびれたり足が冷えたりする場合もありますし、少しの運動で動悸が収まらなくなる場合もあります。

内臓に影響が出て、便秘や下痢を引き起こすことも珍しくありません。排尿とも関係しており、頻尿や残尿の原因になることもあるのです。吐き気を伴うケースや胃炎に発展するケースもあります。

女性であれば月経痛が酷くなるケースも多いですし、その時期が近づいてくると全体的に不調になりやすいです。就寝との関係も深く、なかなか眠れない人や起きられない人もいます。

精神面に現れる疾患

一方、精神面の疾患としては情緒不安定になることが挙げられます。少しのことで腹が立ったり理由もなく涙が出てきたりするなど、感情面の起伏が自分で制御できなくなるのです。子育て中のDVにつながってしまうことも多く、さまざまな自治体が未然に防ぐサポートを行っています。

不安感が募ってしまい、症状が進行すると家の外に出られなくなり、社会生活の維持が難しくなるケースも少なくありません。これらは単独で表れることもありますが、複合的に発症することも多いです。

放置してしまうと、最悪の場合も!

最初は1つでも、放置するに従って増えていくケースもよくあります。したがって、1つでも当てはまるものがあれば、できるだけ専門かに診てもらうことが望ましいです。

自律神経失調症に該当すると告げられた場合、文字どおり自律神経が関係していることは間違いありません。ですから、疾患や原因について考えるには、それがどのような神経か把握しておくことが大事です。

人間の体は環境などの影響によって多様な状態に変化していきます。これを放置していると、生命活動に支障が出ることが想定されるため、人間の体は本能的な対策を行っているのです。

自律神経はその役割を司っているものであり、体を各環境下において最善な状態にするために働いています。常に自動で作用しているので、人間がその機能を自覚することは基本的にありません。

自律神経の役割について

また、自律神経は担当する役割によって大きく2種類に分けられます。1つ目は体の各器官に対して活発な動きを促す交感神経であり、2つ目は反対に各器官に休むように指示を出す副交感神経です。この2つが正常に働くことにより、人間の体はさまざまな環境下でも正常な状態に保っていられます。

言い換えると、両方のバランスがしっかり取れていないと、何らかの問題が起こりやすいということです。環境に合わせた調節が適切に行われなくなり、片方が過剰に働くことで心身にさまざまな悪影響が生じると考えられています。

自律神経失調症の主な原因について


バランスがしっかり取れていないことが自律神経失調症の主な原因ですが、医学的な研究で細かなことまで解明されているわけではありません。分かっているのは、2つの神経のバランスの維持が健康にとって非常に重要であることです。

それを乱す恐れのある要因は現代社会にたくさんあり、そちらも間接的な原因といえます。たとえば、精神面の影響がとても大きく、プレッシャーのかかる機会が多い人はそうなりやすいです。仕事のプレゼンや大学の発表などを経験したときに発症するケースが多く見られます。

ストレスの蓄積にも注意が必要です

ストレスも自律神経失調症を招きやすい要因の一つです。仕事や家事に追われて自由な時間を持てない人は少なくありません。そのような暮らしを続けているうちにストレスが蓄積していき、自律神経のバランスが崩れてしまうこともあるのです。

ストレスは騒音などによっても生じるため、必ずしも忙しさが関係しているとは限りません。その他にも、更年期を迎えて女性ホルモンが減ったことで発症するケースもあります。不規則な生活が続いたり、引っ越しで突然ライフスタイルが変わったりしたときに起こることも多いです。