実はすごく身近な「シンスプリント」について

男性が脛を抑えている写真

シンスプリントとは、脛骨(けいこつ)の周りにある骨膜が炎症を起こすスポーツ障害です。
常に身体を動かし高成績を目指しているアスリートに限らず、健康増進や健康維持を目的にしてランニングに励んでいる方にも起こりやすいものです。また日常生活を送っているだけでも見舞われる事もあります。

シンスプリントの特徴

シンスプリントに共通しているのは、ジャンプをしたり走った時に、すねや内側に特に痛みを感じるという特徴です。

以前から一定の患者数が存在している症状であるものの、今日では健康に目を向ける方が増加傾向にあってランニングなどを習慣化させる方も増えてきている様子から、原因と症状を専門医の観点から確かめてもらいたいと考えている方も増えています。

シンスプリントはスポーツなどに挑戦して間もない初心者が変化に悩まされることが多いのですが、既に長い年月にわたって競技に励み続けてきているベテランが悩まされやすい疲労骨折との差異が小さいのも特徴です。

シンスプリントが発症する原因は?

女性が階段を駆け上がる写真

原因はすねの周囲に存在します。特に内側に変化が感じられやすく、鈍く感じられる痛みを覚え、走ったりジャンプをするといった行動を繰り返したあと、痛みを顕著に感じやすいです。

中距離もしくは長距離を走るランナーやバスケットボールの選手、サッカー選手などに多く、これまでに競技を行ってきている経験があっても、活動し始めて間もない時などは身体が負荷に慣れていない事もあり、症状が起こる事もあります。

特有の症状が感じられた時には、距離を短くするなどの身体に掛かる負担を小さくさせる事で回復に繋げられるようになりますが、少しでも変化を感じた時には速やかに正しいケアを行わなければ再度練習を開始した時に再発に繋がりやすいです。

フォームが影響している場合

負担が大きすぎるトレーニングが代表的な原因であるものの、負担を小さくするように努めているのに再発を繰り返す様子であるのなら、対象のスポーツを行っている時のフォームが影響している事例もあります。

フォームが影響している事例によく似ているのがニーイン・トゥー アウトや扁平足などの足の様子が関係している事であり、扁平足は通常の形の足に比べると体重を掛けて足を地面に着地させた時に加わる衝撃が大きくなりやすいので、骨膜に炎症をきたし症状が発症しやすいです。

筋組織が影響している場合

初心者や、経験があってもシーズンが開始されたタイミングで発症する方が多いのは、まだ競技に携わる時間が短いからこそ対象の競技に特化した筋肉が得られていなかったり、シーズンオフの間に肥大化していた筋肉が小さくなってしまっている場合が挙げられます。

しかも、筋肉は動かす頻度が少なくなるのにつれて小さくなっていくだけではなく柔軟性に至るまで失われるため、柔軟性が失われて筋肉がダメージを受けやすくなった事でシンスプリントになる事例も多いです。

こうした筋組織が原因と症状に関係している事例は内的要因として扱われますが、地面の固い所で繰り返し運動をしたり、踵の部分が顕著にすり減っている履き物を履いていること等、外的要因として扱われる事例も存在しています。

履物の選択が重要になります

踵の部分が減っている履き物を使用し続けている様子に共通しているのがクッション性が高くない履き物を履いている事なので、スポーツを行う時には高い頻度で履き物の隅々まで目を向けつつ、競技に適している履き物を専門家と一緒に選ぶようにしましょう。

症状を感じたら早期治療がおすすめです

シンスプリントの治療を行っている写真

シンスプリントは症状の進行具合によって感じられる変化が異なり、初期段階ではスポーツにおいてジャンプなどの特定の動作を行った時のみに変化を感じます。しかし少しずつ競技中に変化を感じる機会が増えてくる上に、競技をしていない日常生活の中でも変化を感じるようになります。

症状を感じながら何もケアをしないで過ごしているとますます進行するため、変化が感じられた際にはできるだけ速やかに当院での治療を受けて頂くことをお勧めしております。
当院に受診いただくことでお一人お一人に適した検査を行うことができます。

発症の確認方法

発症の確認としては、特定の部位を施術者が指で押し確かめる方法が最も用いられます。シンスプリントはすねの内側が最も症状が起こりやすいという特徴を持っているため、内側を中心としたすねのあたりを指で押してみる事により発症の有無が特定しやすいのです。

さらに、患者が覚える変化が疲労骨折に近いという特性上、ベテランの選手の場合はますます疲労骨折との違いを入念に見極める必要があるので、正しい診断をすべく超音波検査が選定される事もあります。

超音波検査を行うと骨膜という組織に生じている腫れに関するまでしっかりと確認可能になるため、骨膜に変化が生じていれば疲労骨折という診断がされて、変化が無い場合にはシンスプリントとなります。

原因と症状がはっきりとしたら、手技や鍼灸施術で痛みを改善し、フォームやバランスを整えながら治療を進めさせていただきます。同時に個々の足に適する靴の中敷きを作り、利用いただく場合もあります。